観光地として人気上昇中のドバイは、公共交通機関がとても充実しています。意外と知られていませんが、ドバイの公共交通機関は清潔で安全、そして観光客にも使いやすい設計になっています。最新鋭の地下鉄網やトラムを利用して、効率的な観光を楽しみましょう。このガイドでは、ドバイを観光する際の交通アクセスについて、詳しくご紹介します。
知っておきたいドバイの交通機関基本情報
ドバイの公共交通機関は日本人観光客の想像以上に整備されており、非常に使いやすい設計になっています。事前に以下のポイントを理解しておけば、現地でもスムーズな観光が可能です。
観光客に便利な交通ICカード
ドバイの公共交通機関を利用する際に欠かせないのが、Nol(ノル)カードです。地下鉄やトラム、バス、水上バスまで、あらゆる公共交通機関で利用できる便利なICカードです。
空港に到着したら、まずノルカードの購入をおすすめします。駅の券売機やコンビニエンスストアで簡単に購入でき、すぐに利用を開始できます。
ただし、モノレールは、ノルカードが使用できないので現金またはクレジットカードでのチケット購入が必要です。ノルカードには以下のような種類があります。
■ノルカードの種類と特徴
- レッドカード:使い捨ての紙製カード。1回~10回分のチケットとして利用できます
- シルバーカード:一般利用者向けの標準カード。5年間有効で繰り返しチャージが可能です
- ゴールドカード:地下鉄とトラムのゴールドクラス(1等車)専用のカードです
- ブルーカード:学生や高齢者、障がい者向けの割引カード。居住者のみ申請可能です
■観光客にシルバーカードをおすすめする理由
- デポジット(保証金)が20ディルハムと手頃な価格です
- 最低チャージ額が50ディルハムからです
- 駅の券売機やコンビニで簡単にチャージができます
- 一般車両なら全ての交通機関で利用可能です
- 使用後に払い戻しを受けることができますが、デポジットは返金されません
- 5年間有効で、期間内に再利用が可能です。
通常のチャージ式に加えて、観光客向けの乗り放題パスもあります。
- 1日乗り放題(Silver Nol Day Pass):
- 利用開始から24時間有効
- 1日4回以上の移動で元が取れます
- 3日間乗り放題(Silver Nol 3-Days Pass)
- 購入から72時間有効
- 1日2回以上の移動で通常料金より経済的です
■滞在日数別おすすめの選び方
- 1日の移動が3回以下:通常のシルバーカード
- 1日の移動が4回以上:1日乗り放題パス
- 3日間の観光メイン:3日間乗り放題パス
- 長期滞在:最初の3日間は乗り放題パス、その後は通常のシルバーカードとして使用
料金システムを理解しよう
ドバイの公共交通機関は、ゾーン制を採用しています。市内は7つのゾーンに分かれており、移動するゾーンの数によって料金が変動します。
■基本料金システム(レッドチケット)
- 1ゾーン内の移動:4ディルハム
- 2ゾーンの移動:6ディルハム
- 3ゾーン以上の移動:8.5ディルハム
■主要エリアのゾーン区分
- ゾーン1:ドバイ国際空港、デイラ地区
- ゾーン2:ブルジュ・ハリファ、ドバイモール周辺
- ゾーン3:モール・オブ・ジ・エミレーツ、マリーナエリア
- ゾーン4:パームジュメイラ方面
初めての方は、まず目的地のゾーンを確認してから移動を開始すると、効率的な観光が可能です。駅の案内板やアプリで簡単にゾーンの確認ができます。
知らないと損する利用のコツ
■快適に利用するための基本ルール
- 平日のラッシュ時(7:00-9:00、17:00-19:00)は混雑を避けましょう
- 女性・子供専用車両が用意されており、女性の一人旅でも安心して利用できます
- 車内での飲食は禁止されており、罰金の対象となります
- 駅構内での写真撮影は事前に確認が必要です
■観光客が気をつけるべきポイント
- 事前にノルカードの残高確認をする習慣をつけましょう
- 最終電車の時間は曜日によって異なるため、確認が必要です
- ラマダン期間中は運行時間が変更になる場合があります
- 空港への移動は時間に余裕を持って計画しましょう
交通手段別の特徴と使い分け
ドバイメトロを使いこなす
ドバイメトロは、観光客にとって最も利用頻度の高い交通手段です。主要な観光スポットのほとんどをカバーしています。
■レッドライン – 現代的なドバイの観光名所を結ぶ路線
主要な観光スポットへのアクセスに便利です。
- 空港ターミナル1,2,3駅:国際空港からのアクセス
- Deira City Centre駅:シティセンター・デイラ(ショッピング)
- Dubai Mall/Burj Khalifa駅:ダウンタウンエリア
- Mall of the Emirates駅:スキードバイ、ショッピングモール
- Dubai Marina駅:マリーナエリア、ビーチアクセス
■グリーンライン – 伝統的な旧市街地をカバーする路線
伝統的なスークや歴史地区へのアクセスに最適です。
- Baniyas Square駅:バニヤススクエア(ローカルマーケット)
- Al Ghubaiba駅:アル・ファヒディ歴史地区、テキスタイル・スーク
- Al Ras駅:金・香辛料スーク
- Union駅:レッドラインとの乗換駅、旧市街の中心
- Creek駅:ドバイクリーク周辺、アブラ(水上タクシー)乗り場
■利用時の基本情報
ドバイメトロは午前5時から深夜0時まで運行しており、木・金曜日は深夜1時まで延長運転を実施しています。ラッシュ時は3分間隔での運行で、ゴールドクラス(1等車)は通常料金の2倍となり、駅構内での写真撮影には制限がある場合があるため注意が必要です。
トラムで快適観光
ドバイトラムは、マリーナ地区とジュメイラビーチレジデンス(JBR)エリアを結ぶ便利な交通手段です。海岸沿いを走るため、車窓からの眺めも楽しめます。
■トラムの基本情報
- 運行時間:土~木 午前6時~深夜1時、金 午前9時~深夜1時
- 運賃:ノルカードの通常料金と同じ(ゾーン制)
- 所要時間:全線約35分
■主要停留所と観光スポット
- Dubai Marina駅:地下鉄レッドラインとの乗換駅
- JLT駅:ジュメイラ・レイクス・タワーズ
- JBR1駅:ザ・ビーチ、レストラン街
- JBR2駅:ジュメイラビーチ、ブルーウォーターズ島
- Marina Mall駅:ドバイマリーナモール
■トラム利用のメリット
ドバイトラムは、完全冷房の快適な車内から美しい街並みを楽しめるだけでなく、ビーチエリアの観光に最適で、地下鉄との乗り換えもスムーズなため、観光スポット間の移動に大変便利な交通手段です。
エリア別アクセスガイド
ドバイの主要観光スポットは、公共交通機関でほとんどアクセスが可能です。エリアごとの効率的な回り方をご紹介します。
ダウンタウン観光の拠点
■世界一の超高層ビル周辺エリア
ブルジュ・ハリファとドバイモールへは、レッドラインの「Dubai Mall/Burj Khalifa駅」が最寄りです。駅から目的地までは冷房完備の連絡通路があり、暑い時期でも快適に移動できます。
■アクセス方法と所要時間
- 駅から Dubai Mall/ブルジュ・ハリファまで:徒歩約10分
- ドバイファウンテンまで:モール内を通って徒歩15分
- ドバイオペラまで:モール前から徒歩10分
■観光のポイント
ブルジュ・ハリファの展望台は事前予約をし、ドバイファウンテンの噴水ショーは30分前に到着することをおすすめします。また、夜間は特に混雑するため時間に余裕を持ち、広大なモール内での移動は目的地までの経路を事前に確認しておくと効率的に観光できます。
ビーチリゾートエリアの巡り方
■ジュメイラビーチエリアへのアクセス
トラムとバスを組み合わせることで、ビーチエリアの人気スポットを効率的に巡ることができます。
■主要スポットへのアクセス方法
- JBRビーチ:Dubai Marina駅からトラム「JBR 1」または「JBR 2」駅下車(約10分)
- ブルジュ・アル・アラブ:Mall of the Emirates駅からバス84番(約15分)
- マディナットジュメイラ:Mall of the Emirates駅からバス84番(約20分)
パームジュメイラを満喫
ドバイを代表する人工島「パームジュメイラ」へは、パームモノレールが最適なアクセス手段です。
■パームモノレールの基本情報
- 運行時間:午前9時から午後10時00分
- 料金:片道35ディルハム(約1,400円)
- 所要時間:終点まで約10分
- 発着駅:Palm Gateway駅(地下鉄からの乗り換え駅)
■アクセス方法
- 地下鉄レッドラインのPalm Gateway駅で下車
- 連絡通路を通ってパームモノレールへ乗り換え
- アトランティス・アクアベンチャーまで直通
- 途中駅でホテルやショッピングモールにアクセス可能
■観光のポイントと注意点
パームジュメイラ観光は朝早い時間帯がおすすめです。車窓からの絶景を楽しみながら、アトランティス・ザ・パームまで快適に移動できます。到着後は無料シャトルバスを利用して施設内を巡れます。
ただし、モノレールはノルカード非対応で料金も割高なため、事前に切符を購入しましょう。また、天候による運休の可能性もあるため、出発前に運行状況を確認することをおすすめします。
観光時の注意点
ラマダン期間中は運行時間の変更があり、週末(金土)は混雑が予想されるため時間に余裕を持ち、夏季(6-9月)は屋外観光を避けてエアコン完備の交通機関を利用し、写真撮影の際は事前に許可を確認しましょう。
まとめ
ドバイの公共交通機関は年々進化を続けており、観光客にとってさらに利用しやすくなっています。特に、アプリやICカードシステムのデジタル化により、言語の心配もなく安心して利用できます。
このガイドを参考に計画を立てれば、快適な旅行が実現できるはずです。ぜひ、世界に誇る未来都市ドバイの最新交通システムを体験しながら、素晴らしい思い出を作ってください。
コメント